こんにちは、Hiroです。今回は、
- そもそも甲種危険物取扱者とは
- 受験資格
- 難易度
- 超具体的なの2.5ヶ月の勉強スケジュール
- 必要な勉強時間
- 就活に役に立つのか
について解説します。
この記事はこんな人におすすめ
- 甲種危険物取扱者とは何なのか知りたい人
- 甲種危険物取扱者の勉強方法を知りたい人
この記事を書いているのはこんな人
- 2018年6月甲種危険物取扱者に1発合格
- 化学系大学院生
- 中堅国立大学大学院2021年3月卒業
では、早速行ってみましょう!
甲種危険物取扱者とは
まず、危険物取扱者という資格には
- 丙種
- 乙種
- 甲種
という3種類があります。
それぞれの資格の違いは取り扱うことができる危険物の種類です。
まとめるとこんな感じです。
つまり甲種危険物取扱者を持っていると全ての危険物を取り扱うことができるということです。
甲種危険物取扱者とは、どこで使うのか
甲種危険物取扱者の概要が分かったところで次は、この資格をどこで使うのか、どのような業務に携わる際の資格なのかということについて説明します。
甲種危険物取扱者を必要とする施設
一定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う化学工場、ガソリンスタンド、石油貯蔵タンク、タンクローリー等の施設には、危険物を取り扱うために必ず危険物取扱者を置かなければならないと定められています。
甲種危険物取扱者の業務
甲種危険物取扱者は全類の危険物について、取り扱いと定期点検、保安の監督ができます。又甲種危険物取扱者が立ち会えば危険物取扱者免状を有していない一般の者も、取り扱いと定期点検を行うことができます。
出典: 一般財団法人 消防試験研究センター
まぁ要するに
甲種危険物取扱者保有者はガソリンやニトロ等の危険物をたくさん置いている施設に必要で、この資格を持っている人がその施設にいないと危険物を取り扱ったら駄目
っていうかんじです。
なので将来的に企業に就職して薬品や危険物を取り扱うことになれば、この資格を取るように会社からいわれる可能性があるということです。
実際に僕の先輩も入社後に取るように言われて勉強してましたが、働きながら取るのは大変そうでした。その様子を見て
暇な学生の時に取っておこう
と思ったのが甲種危険物取扱者資格を勉強し始めたきっかけです。
あと、
取っておいたら就活に有利そうやな
ってなんとなく思ったのもあります。
本当に就活に役に立ったのかは後述します。
受験資格
甲種危険物取扱者は、残念ながら誰でも受験できるわけではないです。
色々と条件があります。その条件がこちらです。
詳細は以下の出典をご覧ください。
出典: 一般財団法人 消防試験研究センター
ちなみに僕は2番目の
大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した
の条件で受験しました。
化学に関する単位かどうかは以下をご参照ください。
出典: 一般財団法人 消防試験研究センター 化学の授業科目
基本的に大学で化学専攻の学部2年まで終了していれば条件を満たすだけの単位は取得できていると思います。
確認してみてください。
誰でも受験できるわけではないので条件を要チェック
試験手数料
試験手数料は甲種危険物取扱者の場合、試験料は6,600円(2021.5.1)です。
僕が受けた時(2018年6月)は5,000円だったのでめっちゃ上がってますね。
今後も値上がりするかもしれないので取るなら早めに受けよう!
ちなみに試験に合格したら甲種危険物取扱者の免状(運転免許証みたいなもの)を貰えるのですが、その免状交付手数料に2,900円かかります。
僕は合格した当時免状の交付にお金がかかるなんて知らなかったので非常に驚きました。
自動車免許は免許証を持っていないと意味がないように、甲種危険物取扱者も免状を持っていないと意味がありません。
なので結論、甲種危険物取扱者を取得するには6,600+2,900=9,500円必要ということです。
出典: 一般財団法人 消防試験研究センター 試験手数料
受験科目
ようやく甲種危険物取扱者の試験内容についてです。
甲種には
- 危険物に関する法令
- 物理学および化学
- 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
の3種類の科目があります。
正直、大学受験でセンター試験や共通テストを経験してきた人なら「物理学および化学」は苦労することはないでしょう。
センター試験や共通テストの基礎的な問題と同じぐらいのレベルです。
そこまで勉強しないでも何とかなるでしょう。
問題は
危険物に関する法令
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
この2つです。
おそらく知っている内容は無いので一から勉強しなければいけません。
しかも、計算して答えが出るようなものではなく、基本的に暗記科目です。正直そこまで面白くはないと思います(笑)。
ただ下で紹介する勉強法とテキストを使えば合格できると思うので頑張ってみてください。
甲種危険物の合格基準
危険物取扱者丙種、乙種、甲種共に
- 危険物に関する法令
- 物理学および化学
- 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
の3種類の科目があります。
そして合格基準は共に3種類の科目60%以上です。
つまり
- 危険物に関する法令 100%
- 物理学および化学 100%
- 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 55%
だと不合格ですが
- 危険物に関する法令 60%
- 物理学および化学 60%
- 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 60%
は合格です。
全体の平均が60%という意味では無いので注意
甲種危険物の難易度/合格率
丙、乙、甲種の危険物取扱者に関する2013~2017年の合格率平均は以下の通りです。
2013~2017年の合格率平均値 | |
---|---|
丙種 | 49.4% |
乙種 | 38.6% |
甲種 | 33.8% |
大体甲種危険物取扱者の合格率は30%前半であることが分かります。
乙種とそんなに難易度変わらんのや
それは違うよ
圧倒的に甲種の方が難しいよ
乙種は、誰でも受けることができます。一方で、甲種は上記の「受験資格」に書いたように様々な条件があります。
ですので乙種と甲種では受験層のレベルが違います。
甲種の受験者のレベルが高いのは言うまでもありません。
ある程度の受験基準をクリアした中で30%なので結構難しいです。心して勉強しましょう。
ちなみに大学院の同期は2回落ちてたよ。。。
危険物甲種のおすすめ参考書
おすすめの参考書は以下の2つです。
- わかりやすい!甲種危険物取扱者試験 / 工藤政孝 3,080円
- 本試験形式! 甲種危険物取扱者 模擬テスト 【大改訂第2版】 2,200円
まずは「わかりやすい!甲種危険物取扱者試験 / 工藤政孝」で勉強して、ある程度理解できたら「本試験形式! 甲種危険物取扱者 模擬テスト 【大改訂第2版】」で模擬試験を使って勉強したら合格できるはずです。
おすすめの理由
わかりやすい!甲種危険物取扱者試験 / 工藤政孝(テキスト)
このテキストがオススメの理由は
- 太字や表が適宜用いられていて読みやすい
- 語呂合わせが豊富
- 模擬テストの他に例題が400問程ついており豊富
- 模擬テストが1回分付いている
- 数年おきに改訂版が出ている
といった理由です。特に「語呂合わせが豊富」というのは一押しポイントです。
甲種危険物取扱者試験では消防法等覚えることが山ほどあります。
それを単純に覚えるのはかなり不可能に近いです。
なので語呂合わせが豊富なこのテキストが非常にオススメです。
本試験形式! 甲種危険物取扱者 模擬テスト
「わかりやすい!甲種危険物取扱者試験」にも模擬試験は付いているのですが1つしか付いていないのでそれだけでは合格は難しいです。
まぁ模擬テストなら何でも良いとは思うのですが、テキストは「わかりやすい!甲種危険物取扱者試験 / 工藤政孝」がお勧めなので同じ筆者のこの模擬テストがいいと思います。
参考書同様読みやすいですし、模擬試験が6個も付いており、解説も丁寧なので非常にお勧めです。
参考書だけでなく通信講座という方法もあり
実はユーキャンでも危険物甲種の講座があります。
自分一人で勉強するのが難しいと感じるならユーキャンもありかもしれません。
資料請求だけなら無料でできるので良かったらユーキャンのサイトを確認してみてください。
参考書を用いた勉強方法
勉強する順番
次は僕が実際に勉強した順番を紹介します。
僕は
危険物に関する法令
→危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
→復習
という順番で勉強していきました。
理由は、不慣れな分野から勉強していけば、その分野に時間をより割けるからです。
上で説明したように「物理学および化学」は、化学の勉強をしてきた人ならそこまで時間は必要ないでしょう。
また、「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」は「金属ナトリウムに水をかけたらヤバイ」みたいな問題もあるので少し馴染み安いと思います。
そして、「危険物に関する法令」は完全未知の領域です。めちゃくちゃ覚えることあって、かなりヘビーです。なのでこの分野から手を付けましょう。
一番やる気のある最初の時期に最大の敵から取り組んだほうが何とかなります(笑)
具体的な勉強方法/スケジュール
まず僕が実際に行った2ヶ月半のスケジュールを示します。
では具体的な勉強方法を説明します。
危険物に関する法令
「危険物に関する法令」の勉強方法としては
参考書を読む
→自作ノートにまとめる
→まとめた部分の問題を解く
という流れで行いました。
自作ノートには
- 太字で書かれている部分
- 表
- 語呂合わせ
を書き写しました。決して綺麗に色を使い分けてまとめる必要はないと思います。
重要な部分を書き出すだけでも非常に意味があるのでぜひやってみてください。
・一週間の流れ
平日
法令の章に関しては全体で50ページほど説明があります。
僕の場合は5ページ読む→ノートにまとめる→問題を解くというサイクルを平日は繰り返しました。
土日
土日はその週に勉強した部分のノートを見直したり、問題を解きなおしたりしました。
復習は非常に大切です。ただひたすら勉強するのではなく、復習を挟みながら進めていきましょう。
このサイクルで勉強していくと2週間で法令を終えることができるよ
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
この科目の勉強方法も基本的に「法令」と同じです。
平日
読む→ノートにまとめる→問題を解く
土日
今週勉強したことを復習
という流れで勉強しました。
ただ1つ違うのは毎日「法令」の例題を少しずつ解きなおしました。
合計で100問ぐらい例題があるので毎日10問ぐらい復習しました。
なのでまとめると
平日
読む→ノートにまとめる→問題を解く+法令例題10問
土日
今週勉強したことを復習+法令例題10問
という流れで勉強しました。
大体これも1日5ページぐらいで進めていけば2.5週間ぐらいで終わります。
「法令」とあわせて1ヶ月で1周目が終わる計算だよ
復習
一通り、「危険物に関する法令」および「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」の勉強が終わったら次の週から「物理および化学」に進むのではなく、例題の解きなおしをしましょう。
おそらく1ヶ月で覚えたことの半分ぐらいは忘れていると思います。
でも、それが当たり前です。1周したぐらいでは覚えれません。
「法令」と「消化法」の例題は合わせて約300問あるから、これを1週間で1周しよう
1日平均43問だよ
一見多いように思えると思いますが、問題を解くだけなのでそこまで時間はかかりません。
そしてここで重要なのが間違えた問題に印を付けることです。これを絶対に忘れないでください。
1週間目の復習の意味は「解ける問題と解けない問題の選別」です。
これをすることで2周目の効率が上がります。
そして、復習の2週間目の前半は1周目で間違えた問題のみを解きます。
そして再度間違えた問題に印を付けます。
間違えた問題には「正」の文字で印をつけていくと、何回間違えたかわかりやすいのでお勧めだよ
最後、復習の2週間目の後半で2回間違えた問題を解きなおします。
ここまでやると例題を3周したことになります。3周すれば9割は解けるようになっているはずです。
- 1週目:問題全部解きなおし(間違えた問題にチェックつける)
- 2週目前半:1週目で間違えた問題だけ解きなおし
- 2週目後半:2回間違えた問題だけ解きなおし
「危険物に関する法令」および「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」の勉強が終わったら先に進まず、2週間かけて復習しましょう!
物理および化学
この科目は上記のようにセンター試験や共通テストを経験してきた人なら基本的に初見で解ける問題が多いと思います。
なのでサッと読んで問題を解いてみてどのような問題が出るのか確認し、間違えた問題にチェックをつけておくだけで十分だと思います。
ただ最後に、「消化に関する知識」という分野があるのですが、これは知らないと思うので丁寧に勉強しましょう。勉強方法は「法令」等と同じです。
例題数としては高校化学の内容約100問と「消化に関する知識」が約10問です。
大体が知っている内容なのでここは1週間あれば問題ないはずです。
ここまでをまとめますと
最初の1ヶ月
「危険物に関する法令」および「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」の勉強
2ヶ月目の1~2周目
「危険物に関する法令」および「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」の復習
2ヶ月目の3周目
「物理および化学」の勉強
となります。
模擬テスト
最後にいよいよ模擬テストです。模擬テストは
- わかりやすい!甲種危険物取扱者試験 / 工藤政孝
- 本試験形式! 甲種危険物取扱者 模擬テスト
の両方を合わせて7つあります。
なので1日1個解きましょう。そうすれば1週間で模擬テストをひとまず終えることができます。
ここでも忘れてはいけないのが間違えた問題に印をつけることです。
ここまでで大体2ヶ月です。
最終仕上げ
そして次がラストです。ラスト2週間、間違えた例題と模擬試験の問題をひたすら解きましょう。
印が付いている問題は全て解きなおしましょう。
これで約2.5ヶ月です。これだけ勉強すれば、まず落ちることはないと思います。自信をもって本番に乗り込んでください。
もう一度スケジュールカレンダーがみたい方
危険物甲種合格に必要な勉強時間
これまで具体的な合格までの2.5ヶ月勉強スケジュールを紹介してきましたが、僕は毎日1時間勉強していたので約75時間、危険物甲種取扱者合格のために勉強した計算となります。
ちなみに、Foresightという危険物取扱者の通信講座を行っているサイトでも70~80時間と書かれています。
出典:Foresight
注意点としては
大学受験の際に「物理および化学」の範囲についてはそれなりに勉強していない人はもっと時間を要する
ということです。
全く勉強したことがない人は「物理および化学」で最も苦労するという意見も聞きます。
勉強続けるの苦手なんやけどどうしよう
そういう人は「タイマー勉強法」を使ってみるのもありだよ!
タイマー勉強法というのは、短時間勉強→休憩を繰り返す勉強法です。
「長時間勉強できないよ~」という人にはうってつけの勉強法です!
詳細な勉強方法については「アイジュさん」の以下の記事にて解説されているのでぜひ読んでみてください!
受験・資格勉強の相棒!mineeタイマー3レビュー!【タイマー勉強法】
危険物甲種は就活に役に立つのか
最後に就活に役に立つのかについてです。これも気になっているのではないでしょうか。
結論から言うと役に立ったなかったです。
保有資格の欄に
- 普通自動車免許
- TOEIC
- 甲種危険物取扱者
の3つを書いて5個ほど面接を受けたのですが、どの会社でも触れられることがありませんでした(笑)。
悲しい…
ちなみに友達も触れてくれたのは10社中1社だったらしいよ
恐らくそんなに珍しい資格でもないので触れられることは無かったんでしょうね。
でも自己PR等に勉強スケジュールをたててコツコツと勉強し、甲種危険物取扱者とりました!
と書けば、うけは良いと思いますし就活に使うことができます。
もし、自己PR等に書く内容が無いなぁと悩んでいる人は就活のために受けてみるのもありだと思います!
合格するためにコツコツ頑張った経験は就活でアピールできる!
就活後のことを考えると甲種危険物は取っておくべき
就活自体ではあまり甲種危険物は意味がありませんでしたが、メーカーで働いてみて改めて学生時代に取っておいて良かったと思っています。
なぜなら結局働くうえで免許が必要になったからです。
僕の会社では部署によっては甲種危険物の資格を取る必要があります。
僕はすでに取っていたので問題なかったですが、同期を見ているとなかなか資格勉強が大変そうです。
平日仕事しながら合間をぬって勉強するのはめちゃくちゃ大変だと思うよ。。。
化学系で就職する気があるのであれば、時間のある学生の時に甲種危険物を取っておくことを強くお勧めします!
本じゃなくて動画で勉強したい人
本だけでは勉強できないという人はユーキャンの講座を利用するという手もあります。
下手に受験料6,600円払って落ちるよりしっかりと教えてもらって一発合格したほうがお得かもしれません。
資料請求だけなら無料でできるので良かったらユーキャンのサイトを確認してみてください。
まとめ(危険物甲種のおすすめ参考書、難易度、勉強方法)
今回の記事をまとめると
そもそも甲種危険物取扱者とは
→ガソリンやニトロなど危険物を取り扱うための資格
受験資格
→甲種危険物取扱者には様々な受験資格がある
→一般的な化学専攻の学部3年生なら受験資格を満たしている可能性大
→受験資格は複雑なので要チェック
合格基準
→全3科目60%以上
→100点、100点、55点では不合格
合格難易度
→合格率は30%ほど
→誰でも甲種は受けれるわけでは無いので結構難しい
おすすめ参考書
具体的な2.5ヶ月の勉強スケジュール
0~1ヶ月
「危険物に関する法令」および「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」の勉強
1.0~1.4ヶ月目(2週間)
「危険物に関する法令」および「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」の復習
1.4~1.8ヶ月目(2週間)
「物理および化学」の勉強
1.8~2.0ヶ月目(1週間)
模擬テスト7個
2.0~2.5ヶ月目(2週間)
間違えた問題解きなおし
合格に必要な勉強時間
→1日1時間勉強計算で75時間
→通信講座を行っているサイトによると70~80時間
就活に役に立つのか
→個人的には役に立たなかった
→自己PRに、合格するためにコツコツ頑張った経験を書く等すると就活に役立つ
以上となります。これから甲種危険物取扱者を取得する方の助けになれば幸いです。
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