こんにちは,Hiroです。今回は
共同研究のメリット/デメリット
について解説します。
この記事はこんな悩み/疑問を解決します。
共同研究って大変なのかな
共同研究って就活に有利になるのかな
この記事を書いているのはこんな人
・院卒化学系エンジニア1年目
・学生時代、大手メーカーと共同研究
・中堅国立大学大学院2021年3月卒業
・英語論文1st 1本
では,早速行ってみましょう!
共同研究のメリット
共同研究のメリットは
- 研究費が増える
- 研究テーマを自分で決めなくていい
- やりがいになる
- メールに慣れる
- 企業の研究の凄さを知れる
- 大学にない装置での測定を依頼できる
以下で詳しく解説します。
研究費が増える
これが一番のメリットかもしれません。
共同研究をすると研究費としていくらかお金がもらえます。
いくらぐらいかは業界や契約によりけりですが、年間100万円前後は貰えることが多いのではないでしょうか。
研究はお金がかかります
- 試薬の購入(高いものなら10万円/g)
- 装置での測定(1測定 数千円~)
- PCの購入(化学系でも10万円前後)
- 学会参加費、交通費(国際学会なら30~40万円)
等々様々なことに多くのお金がかかります。
もし研究費が少なかったら、いちいち研究費を気にしないといけません。
余裕のある研究費は研究をするうえで非常に重要です。
研究テーマを自分で決めなくていい
たまにあるのが
大枠はこんな感じで研究して欲しいけど、詳細は論文読んだりして自分で研究内容決めて
というパターンです。
もし研究室に配属されたばかりの段階でこうなるとかなり大変です。
研究したことないのに、そんなん無理やん
ってほとんどの学生がなります。
でも共同研究の場合は企業から提示されるので自分でテーマは考えなくてもいいです。
やりがいになる
企業から与えられるテーマは将来性もありますし、なぜこの研究が必要なのか分かりやすいです。
大学と企業は研究のスタンスが違います
企業:実現できそうにないことはやらない。社会に求められる研究をする。
大学では利益を追求しないのでいつ実現するか、実現するのかどうか分からない研究をします。なので
教授に与えられたからしてるけど、この研究なんのためにやるんや
となってしまう学生が多いです。
その反面、企業との共同研究の場合
実現可能性も高く、より達成した時の社会に与えられる影響をイメージしやすいです。
つまり自分が行っている研究の意義を認識しやすいです。
これは3年間研究のモチベーションを保つのに非常に大切です。
研究の意義を見いだせずやる気を失う学生が多いので、やりがいを持って研究できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
メールに慣れる
共同研究をしていると企業の担当者の方とメールでやり取りする機会が多くあります。
普段学生をしていると社会人とメールのやり取りする機会はほとんどありません。
ただ働きだすとメールのやり取りは日常茶飯事です。
そんな時に学生の時から社会人とメールのやり取りをしていると少しはマシなメールを打てます。
最初は1通送るのにめっちゃグーグルで言葉遣いとか調べて送ってたよ(笑)
企業の研究の凄さを知れる
企業と共同研究をしていると逆にこちらから企業に測定を依頼することもあります。
その時に僕は企業の研究のレベルの高さを知りました。
こちらが依頼測定の結果です。
いや凄すぎでしょ。俺らの研究ママゴトやん。
企業ってここまでやるんか。
と驚きました。
もし自分が企業で研究職として働くならこのレベルを求められるんだと実感しました。
将来的に研究職を目指している人は非常にいい経験になると思います。
大学にない装置での測定を依頼できる
上でも触れましたが共同研究を行っていると依頼測定をすることもできます。
大手のメーカーだと普通の大学よりも研究設備が整っています。
僕も大学にはない装置を使いたかったので、共同研究先にお願いしたことがあります。
さらに言うと、依頼測定を行うとその装置のプロが測ってくれるのでメチャクチャ良いデータを出してくれます(笑)
共同研究のデメリット
共同研究のデメリットとしては以下の通りです。
- データの扱いが大変
- 学会の1ヶ月前には発表資料を完成させる必要がある
- 打合せ資料とか作るのがめんどくさい
- 研究費としてお金は貰えるけど、自分には入らない
以下で詳しく解説します。
データの扱いが大変
企業はデータの取扱いは非常に厳しいです。
例えば学会で発表するとなると
学会当日1ヶ月半ぐらい前からどのデータを使って発表するのか申請する必要があります。
また最初から外部発表はしないという契約を結ぶ場合もあります。
こうなってくると、学会発表はもちろん論文投稿もできません。
大学院生にとって論文投稿は非常に重要です。
論文を投稿したら奨学金が返還免除になって220万円ゲットできる可能性があるからです。
このことについては以下の記事を参考にしてください。
大学院生の奨学金免除方法について2021卒が解説|免除実例も紹介
僕の場合は共同研究始まった最初の時期だったので外部発表できましたが、後輩からは外部発表はできないそうです。
いやぁ本当に危なかった
学会の1ヶ月前には発表資料を完成させる必要がある
学会で発表するとなると当日1ヶ月前には発表資料(ポスター等)を完成させ、共同研究先に送る必要があります。
ただ1ヶ月もあれば
より良いデータが出たり、ミスに気づいたりします。
その都度差し替えは可能かやり取りしなければいけませんし、時には無理な場合もあります。
これは共同研究していてかなり大変でした。
打合せ資料とか作るのがめんどくさい
共同研究をしていると最低でも半期に1回は打合せがあります。
その時に進捗報告資料を作成しないといけないのですが、外に出す資料ですしあまりいい加減には作れません。
また報告する内容も大量にある場合が多いので資料作りがなかな大変でした。
研究費としてお金は貰えるけど、自分には入らない
メリットとして「研究費を貰える」というのを挙げましたが、もちろん自分のポケットマネーにはなりません。
これまで色々なデメリットを挙げてきましたが、そのうち
なんでお金ももらっていないのにこんなことやってるんやろ
って思います(笑)
僕の場合は、依頼測定で良いデータを出してもらって論文にもつながったので良かったですが、先輩は
共同研究は最大のボランティアや
って言ってました(笑)
就活に有利?_判断が難しい
有利では無い理由
一般的に共同研究を行っていると就活に有利という意見を聞きますが個人的には微妙なところだと思います。
例えば
- 共同研究しているから書類選考免除
- 共同研究しているから早期選考に呼ばれる
等があれば良いと思います。
ただ僕の研究室では5~7社ほどメーカーと共同研究していましたが、そういう話はなかったです。
確かに普通に選考を受けて共同研究先に行く先輩たちはいました。
でも僕は、あの人達は優秀だったので共同研究を行っていなくても内定を貰えていたと思います。
共同研究先の選考を受けるとなると絶対に人事が共同研究の担当者に
〇〇君ってどんなかんじ?
と聞くはずです。
日頃から真面目に研究成果を出していて、学会等の申請もしっかりしていれば問題ないですが、あまり良い印象をもって貰っていないと
いつも申請書送れますし、成果も微妙ですね
と言われる可能性があります。
一方で有利な場合
例えばあなたが
面接で上手く話すのには自信がないけどコツコツ真面目にやることには自信がある
という場合は有利かもしれません。
日頃から共同研究先の担当者とやり取りする中であなたの長所に少しづつ気づいて、最終的に人事に
めっちゃ真面目で良い学生です
と報告してくれるかもしれません。
こういう場合は就活に有利かもしれません。
まとめ
共同研究のメリット
- 研究費が増える
- 研究テーマを自分で決めなくていい
- やりがいになる
- メールに慣れる
- 企業の研究の凄さを知れる
- 大学にない装置での測定を依頼できる
共同研究のデメリット
- データの扱いが大変
- 学会の1ヶ月前には発表資料を完成させる必要がある
- 打合せ資料とか作るのがめんどくさい
- 研究費としてお金は貰えるけど、自分には入らない
個人的な意見
最後に個人的に
共同研究は大変かもしれないけど、色々学べるから良いと思う
というのが僕の意見です。
共同研究できる学生の方が圧倒的に少ないです。
もしチャンスがあるのであれば、積極的に取り組めばいいと思います。
きっと成長に繋がると思います。
以上となります!
質問やコメントがあればぜひ↓からよろしくお願いします!
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